浮かぶ鳥カゴ

日が暮れるのが早くなった
今日は3時前にもう夕暮れの雰囲気
表にさげている鳥かごの影が入口の壁に映った
鳥かご
これは高校生のとき友人からいただいた誕生日プレゼント

街の川沿いにある雑貨屋さん
階段を上がって透明のカーテンをくぐる
入口の棚には様々なハーブティーが並び、いい香りがする
いくつかドキドキしながら試した
試験前には、集中力があがるというレモングラス
美しさに憧れた日には、ビタミンCたっぷりのローズヒップ
店の奥へ進むと
グラス、お皿、シンプルな食器が並ぶ
いつかの一人暮らしをわくわく浮かべた
白が基調のお店
友人はここで鳥かごを選んでくれた


今から7.8年前に浮かんだ景色がある
森を拔けると
ぽっかり空いた、芝生の広がる場所
その真ん中にあるドーム型の建物
これが友人にもらった鳥かごと似ている
それから、学生の頃油彩で描いたモチーフにも似てる
それは小さな木が植えられたテラリウム
ガラス張りの建物
「あなたはそこでみんなを待つの」
先生にもらった言葉を信じている
ガラス張りのテラリウム
枠の大きな鳥かご
そこでわたしは土を耕し
木を育ててる



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by shokanshu | 2018-11-28 22:05

壁は生きてる

青い絵の具をぐんぐんのばした
白い絵の具で‥と思っていたのたけど使いきっていた
フタロブルーとウルトラマリンが大量にある
青で‥描いてみるか
白を待つよりとにかく今描きたかった

大きな壁に色を大きくのせる
太い筆をぐーんと動かす
気持ちいい
なんて気持ちがいいんだろう

春からずっと絵の具が使えないでいた
色で考えることを難しく感じて
いや
それ以前に絵を描くこと自体が飲み込めなくなっていた
小さな頃から描くことが好きだった
だけどどうにも不自然に思えてしまう
乱暴な言い方をすれば
作品をつくることは粗大ごみをつくることなんじゃないかということ
余計なものを大量につくっている
お米を作るほうがずっとずっとよい気がした

音楽がいいなと思った
まず、ごみが出ない
触れられない、残らないけれど
一瞬で空間を変える
その場を包みこむことができる
そして
すぐに反応があること
鍵盤に触れたら、その音がすぐに返ってくる
優しく弾いたなら
優しいその音がたった今に現れる
絵も、きっとそうなのだけど‥
どうにも飲み込めなくなってしまった
しばらく困っていたのです

ほんとうは困ってません
描けないなら描かなくていい
決まった展覧会の予定があったので、そのことは困っていましたが‥

描きたくないので
しばらく描かずにピアノやギターに触れていました
その音 この音 確かめる時間にほっとした
とはいえ
展覧会の約束は守らなければ
いま わたしに何ができるのだろう
描く ということ

ようやく始まったのがデッサン
黒いボールペン
消せない素材で描いていく
目についたものを
ひとつひとつ描いてゆく
ここにあること
ここにいることを確かめる
鍵盤のドを確かめるみたいに
ボールペンの先で目の前の世界に触れてゆく
描けば描くほど
描くところが見つかる
終わりはなくて
そのうちに紙は真っ黒に
何を描いたのかもわからない
だけどわたしはほっとした
ここにいることを確かめられたから


店の壁はいま真っ青
これまでに描いた白や黄色、奥には赤もある
色を感じて進める画面
これは
ここにあることを確かめるというより
どこかへ向かう時間かもしれません
壁に向かうと、たくさんの景色が浮かびます
そのときに流れる音楽や光によって印象は大きく変わる
今日出会ったひとの気配によっても
ん、これはデッサンや他の絵も一緒かな

さて さて
一年かけて
絵を描いてゆこうと思うんです

余計なことを続けてみようと思ってます



























by shokanshu | 2018-11-24 23:17

夜更けのコーヒー

喫茶店で働いていた頃
(いまもそうですね)
23時に仕事を終え
それから向かう珈琲屋さんがありました
「これから伺いたいのですが‥」
電話をしてから向かう
とても濃いデミタス珈琲には優しい名前がついていて
ちいさなカップにゆっくり向かうひとときは
少しずつ
好きな自分を思い出してゆく時間だった気がします

働いていた喫茶店が大好きでした
学生の頃からのお付き合い
うっとりと過ごす日もあり
チャキチャキ手際よく動く日もあり
みんなで仕事する楽しさと難しさ
色々な気持ちを学びました
いまはひとり
この場所での仕事はわたし自身
日々の在り方がまっすぐに返ってくるように感じます
投げかけた手紙のお返事を
日々いただいています
ひとり対ひとり
そんな風に目の前に向かう毎日です


オールド珈琲をゆっくり飲みました


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by shokanshu | 2018-11-22 23:11

月を編む

雨の音をききながら
















by shokanshu | 2018-11-20 01:10

映画の途中

通りが青く染まってゆく
行き交うひと
時折賑やかな声が過ぎて
自転車を止める音
バイクの走る音

店の中で続くのはサティ
鬼火という映画を思い出したり
この場所も
ずっと映画が続いている



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by shokanshu | 2018-11-17 16:39

手紙がとどく

店にときどき手紙が届く
展覧会のご案内だったり
お客様からのお便りだったり

帰り際に開けたポストに茶色の封筒
好きな絵かきさんからの展覧会のご案内
キューバとフランスの風景が広がって
読んだ本を浮かべたり
映画を浮かべたり

その少し前に浮かべていたのはベトナム
読みかけの本の続きを読んでいた
戦争のこと
いくつか観た映画

今日という一日を終える
また あした
この言葉をもう一度言いたい
また あした




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by shokanshu | 2018-11-14 22:31

言葉のかけら

下北沢へ行く機会が増えている
気になる絵を観に行き
気になる古本市を覗いた
絵を観て作家さんとの会話
言葉をさがす
古本市では言葉が飾られていた
そのひとの言葉に
自分を見つける
「詩は遅い言葉」とそのひとは書いていて
ぽたぽたとゆっくり届くという
珈琲みたいだな
ぽたぽた とゆっくりか

珈琲を飲みたい
うずさんへ向かう
すこし歩くその間
なんて珈琲を頼もう
言葉を考える
言葉のイメージで豆をブレンド
いれてくれる珈琲屋さん

「言葉のかけらをお願いします」
そう注文した
なんのことやら
わたしもよくわからないし
うずさんも困るかも
だけど、その言葉を通してのやりとりをしてみたいと思う
返事が返ってくる
きゅっきゅっと残るものがある
これがかけらかもしれない
なんて思いながら詩集の続きを読んだ

新宿へ向かう
賑やかな街
今夜は背筋を伸ばし
ぐんぐん歩く
酉の市へ
小さな熊手をひとつ買った


























by shokanshu | 2018-11-13 12:21

新しいノート


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FAURÉ REQUIEM
暖かな秋の日にCDをいただいた
レクイエム
悲しさというものより
清らかさ
空気が澄んでいくように感じて
心地好い風(ご近所から美味しそうな蒲焼きの匂いも)
浄化される
透明な場所

新しいノートをひらく
(数ページかいていたものは大切に破りとり、新しいノートとした)
かきはじめは少しこわい
真っ白なキャンバスと似てる
大切に始めたいし
だけど、かしこまらず自然でありたい
空腹を感じてすこし食べる
お腹を温かくしてノートに向かう
今日の言葉からはじめよう


届いた手紙

手紙に言葉はなくて
綴られていたのは写真
ある一日の時間の流れ

公園の先の古いアパート
角部屋に差し込む明るい光
昼間の賑やかな声と
ひとりで過ごした深夜の静けさ
珈琲の匂い


ノートに
あの頃使っていたコーヒーポットをスケッチした
夜更けにストーブで湯を沸かしていれた珈琲
大切に絵に向かう部屋

この部屋でも珈琲をいれる
イブラビムモカ
珈琲の原種となった珈琲豆
レコードから「月光」がはじまった
清められた部屋 新しいノート
月の光を浴びていれた珈琲
なんだか儀式をしているよう
おまじないのよう

いま聴こえているのは
PEACE PIECE
とても好きな曲




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by shokanshu | 2018-11-10 16:51

繋がり、流れをたどる

雨が降っていた
店に運ぶものの準備とメールの返信
お昼を食べて 珈琲をいれる
珈琲をいれるのが好き
湯を沸かして抽出するすこしの間
珈琲豆とやりとりをする
むかし働いていた喫茶店
「豆と仲良くならなくちゃね~」そう話してくださったcさん
とてもたのしそうに珈琲をたてる姿が印象的だった
沸きたての湯をゆっくり注ぐ
ふくふくと膨らんでくる珈琲豆
背筋をのばし
まっすぐに向かう

いれたての珈琲をそばに手帳をひらく
今年ももうすぐお終いだけど、メモのページが随分余ってる
いっぱいかけるなぁ
これからしたいこと
仕事として始めたいことを具体的に書いてみる
そうそう、そうだった
浮かべていた幾つものこと
やるときは 今ですね
今やらずしていつやるのだ
随分のんびりしていたように感じる
だけど
今がタイミングなのだと思う
浮かぶイメージがあってもできなかったこと
あれや これや を経て
いま 心地好いスタート
「石の上にも三年」
ほんとにそうだとおもう





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店に荷物を運んだ
途中に通る森は紅く色づき始めていた
先のほうから紅くなるんだなぁ
店の本棚から今日の一冊を選ぶ
文庫がいいな 重たくないもの…
草木染めの本を選んだ
『色を奏でる』志村ふくみ
丸の内線は読書時間
大江戸線に乗り換えてもそれは続いて
ぐんぐん読んだ
藍の一生を読んだところで目的地に着く
六本木 知人の個展へ向かう

会場へ着くとやわらかい色が広がった
まるで草木染め
さっきまで開いていた本からの繋がりのようで不思議な心地
オープニングパーティーは苦手で
落ち着いたところで早めにご挨拶して会場を出る

地下鉄は混雑 帰宅ラッシュの時間だった
本の続きが読みたかったけど開けない
諦めて意識を飛ばす
東京はひとが多いな
東中野で乗り換え高円寺で降りる
夕飯の買い物の前に伺いたかったギャラリーカフェへ
森の向こうにある村のお話
モビールの影が白い壁に揺れる
村人みんなが頼りにしているお菓子屋さんがあって
そこで作られている(イメージ)のお菓子と珈琲を待つ
白いワンピースに長い髪
やわらかな妖精のような作家さんに世界を話していただきながら
店という場所をおもう
店という場所

すこし遠回りをしてスーパーへ
冷蔵庫の野菜室を浮かべながら買い物
帰宅して料理にとりかかる
大根が煮えるのを待つあいだ
洗面所の洗濯物をたたみ
この文章をかいていた
高円寺で暮らして四年が経つ
この四年の変化のなかで
とてもたくさんの人と出会った
それ以前からの繋がり
育んできたもの 別れたもの
終わりを迎えてはじまったもの
変わり続ける毎日は
見えるもの、見えないもの
外側も内側も大きく包んでいる


夕飯を済ませて本の続きを読んだ
光の旅
色というもの
屋根にあたる雨の音
画面からきこえるニュースキャスターの声
すこし目が痛い
続いている音
息を吸って
ゆっくりはいた
















































by shokanshu | 2018-11-06 21:41

きょうの譜面

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今日の譜面は 馬
馬について浮かべる時間があって
色鉛筆で遊ん 紙をちぎって貼っ
uma ponny
譜面台に置いたら
なんか、いい感じ
いつもの曲(ショパンの別れの曲)をまずは練習して
それからこの譜面に向かってみる

馬が駆ける
草原を駆ける
パカラッ パカラッ
転ぶこともあるし
走りたくない 草を食むこともある
なんて想像しながら鍵盤に触れてみる
これはなかなか楽しいですね
なんにもなくて目を閉じて弾くのもいいけれど
この馬の絵をみながら弾くのは いい






























by shokanshu | 2018-11-05 22:03