それぞれの台風

台風が来ている
ぐんぐん近づいている‥かな?
店を変わらずopenして
ゴーヤを炒めたり キッシュを作ったり
(きっと今日はどなたもみえない わたしのごはんになるのだろう)
いつものことを準備しながら
お店のこれからのことを考えてみたりする

幸い、お近くのお客様がいらっしゃってボーズにはならなかった
扉が揺れる音がしてビクッと振り向くと誰もいない 風の音
麻糸で編み物をしている かごバッグを作りたい
夏ですからね
ずいぶん前に諦めたこれ
今日は諦めない
じっと本を繰り返し見つめる
なるほどこうかな‥ お、やっぱりそうか よし、いいぞ
今回は出来上がるかもしれない

心地好いひとりの時間はいま
台風ですから みんな静かにお家にいてください
映画を観たり ちょっとお酒を飲んでみたり
そういえばいつかの台風の夜
古いアパートを揺らす強い風をひしひし感じながら
ゴッドファーザーを観たのを思い出した
「わたしの一番好きな映画なの」
そう言ってプレミアムボックスのDVDを貸してくれたYちゃん
嵐の夜に一人わたしは123全てを観たのでした
1が面白かったな とても怖かった
2、3は‥よく思い出せない
だけど全て観終えてよく憶えているのは
3で娘を亡くしたアル・パチーノが激しく泣いたこと
あれだけ沢山の人を殺してきた彼が泣くなんて
それを見られたことがとてもよかった
大切なひとを亡くすのは悲しいということ
それをみせてもらえて
ようやくほっとした
それまでわたしは震えていた
一人で 台風で 寒かったからね
小金井の二階の部屋
今はもうない
















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# by shokanshu | 2018-07-28 19:10

鍵穴


素描
目の前のものを描く時間にほっとする
消しゴムは使わない
消えない素材で辿ってゆく
白かった紙はどんどん黒く、濃くなって
鍵穴のようだなぁと思った










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# by shokanshu | 2018-07-26 19:53

朝焼けと蝉の声

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蝉の声がする
何時だろうと時計を見ると、午前4時30分
蝉は早起きなんだなぁ
そろそろ朝焼けの時間かな と、外へ出る
明るくなっているけれど、まだ白い
空は雲の中
蝉の声をききながら、家の周りをゆっくり歩く

下駄の音
蚊に刺された
バイクの走る音 配達かな
スピード出して過ぎてゆく車
猫はいない 歩くひともいない
朝方と夕方の空は似てる
ぼんやりすると今が夕方に思えてくる
朝と夕、違うのは音 人の気配
今はとても静かな時間
起きているのがちょっと特別に感じる
もう仕事を始めたひともいるでしょうね

道の先が赤くなっているのが見えた
朝焼けだ! 東の空
そうか、あちらが東 店のあるほうだ

蝉の声は続いていて
わたしはようやく眠くなる
















































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# by shokanshu | 2018-07-21 04:59

壁に絵を描く

店の壁はわたしのキャンバスとなり三年が経ちました
色 というものが好きで
色で描いてきました
‥と書いたところで髪を解き、好きなシャンプーの匂い
レコードが止まった

月灯り
届いたボウモアを好きなグラスでいただく
ウイスキーの色は月 静かで明るい
透明なグラスは水滴がついて触れると冷たい
ウイスキーがなけりゃ 死んでやる
そんな曲を近頃ずっと聴いていたから
美味しいウイスキーを飲みたくなった


月灯りの詩を思い出す
















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# by shokanshu | 2018-07-18 22:41

繁華街の喫茶店

夜の11時を過ぎたというのになんて明るいんだろう
この明るさは、営業中の店の灯り
賑わう街 人の喧騒
喫茶店を出ると、そのギャップにくらっとする

学校の仕事を終えて、先生方と懇親会
今日は一日絵をみて言葉を探した
先生方との時間にも
日頃考えている、絵を描くことについて話してみたり
解散はわりと早い時間で
すこし散歩して帰ろうと思った
知人の展覧会を観に新宿へ行こうか
駅に向かう横断歩道
浮かぶ細い月が明るくてきれい


頼んだのはコーヒー
カウンターに座ったら、お酒はいいかな と思った
知人の展覧会へ向かう前に繁華街の喫茶店へ
大音量でかかるJAZZ その中に入りたくなったから
曲が終わると、静かなままでママさんと話した
不思議と先生という職業の話しに
実は、わたしも先生なんですよ
自分のことを少し話した


しばらくして
「音のかけら」というレコードをわたしに選んでくれた
聴いていると 夜中の風景が浮かぶよう
話し声も入っていて
録音に立ち会っているような気分
聴いていたら描きたくなった
のびやかなカウンターが美しく感じて
奥行き
手前、奥
ここにいることを確かめたくなった
そばに百合の匂い

レコードの表も裏もみんな聴かせていただいて
わたしのノートは濃くなった
よし、好きな感じだ
帰り支度を始めたところでかけてくれた一枚がシンプルで素敵なジャケット
文字が風のように並んでいて
浮かぶ月、映る月が今夜と同じ形をしていた
素敵な夜だなぁ
すっかり遅くなってしまった
知人の展覧会は、また別の日に












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# by shokanshu | 2018-07-17 23:21