DVORAK No.7

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雨降り
拍手の音が、雨に重なる
ドヴォルザークの7番を聴いた
3楽章のヴァイオリンが好き
これを聴くと
今はもうない、中野のクラシックを思い出す
古くから続いていたこの名曲喫茶は
埃っぽく、黴臭く
傾き、床はみしみしと鳴る
海賊船みたいだなぁ と、楽しかった
リクエストして聴いたのが
ドヴォルザークの7番

学生の頃
オーケストラのサークルでトランペットを吹いていた
大学生らしいことをしてみたくて入部
集団は苦手なのに
5つの大学から集まって、部員は100人近くいる
そういえば
中野サンプラザでの入学式は、この楽団が演奏したのを聴いたんだ
建物裏でミーティングしている姿を、いいなぁと眺めた

年に一度、秋のコンサート
これに向けてみんな練習に励む
2001年の交響曲
わたしはこれには参加できなかったのだけれど
聴くと
練習に通った学校が浮かぶ
聴こえてくる様々な音 様々な声
みんなどうしているだろう
二十歳くらいだった我々は
もう中年期だぞ

コンサートの録音を
秋になると聴いている気がする









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# by shokanshu | 2017-10-06 20:08

森のなかで

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ケーキを焼いた甘い匂いの中
月末に予定している古本市のチラシ作りに励む

女性が8人集まり
それぞれが選書した本が店に並ぶ
「女と本のあるふうけい」
一年前の賑やかさが懐かしい
前回と続けてご参加くださる方
はじめましての方
今年はどんな一日になるのだろう

店では幾つかイベントを催した
操り人形と朗読の夜にはじまって
古本市
落語の夜
がらくた(宝物)市
夢(眠ってみるほう)をテーマにした絵画展
ギターとうたのライブ
短編映画の上映会
操り人形をそばに、わたしが歌った夜もあった
イベントを終える度に
店には新しい風が吹いたように感じた
ひとの気配が心地好く残った

ここは喫茶店であり
アトリエであり
映画館で芝居小屋
珈琲のいい匂いがして
そっと目を閉じる
森の中の部屋








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# by shokanshu | 2017-10-05 18:17

ノート

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新しいノート
かきかけのノート
かいたものをちぎって新しくしたノート
何をどれにかこう
あれこれ考えずに描きはじめてしまえばいいのかも

浮かべるイメージ
向かうものが 今、たくさんある









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# by shokanshu | 2017-10-04 21:00

fuzkue

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このまま部屋へ帰りたい
賑やかな新宿を抜けて
家へ辿りつけるだろうか

遠い部屋を浮かべる
小さな部屋を思い出した



帰る元気を出すためにコーヒーを頼む。
抽出される音を聞く。
運ばれてきた、マグカップにたっぷりのコーヒー
コーヒーは濃いめをすこし というのが好きだけど
この量は、「ゆっくりしてってね」と言ってくれているようで嬉しい。ここはそういう店なんだ。
数字がこぼれ落ちるような絵の入った素敵なカップだった。
コースターを使わずにカップを直接置くのも
家にいるようで居心地がよかった。

少しずつ意識を外に向かわせて
お礼を言って店を出た
仕事終わりの時間
街は人、人、人‥
人混みでは背筋を伸ばす
遠くを見る
意識は自分の中
そうすると
街の賑やかさにワクワクしてきた
買い物を思い出して生地屋さんへ
女性たちが様々な柄を抱えてならんでいる
みんな何を作るんだろう
レジで会員カードを申し込んだ
わたしも作るひとになってみたい










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# by shokanshu | 2017-10-03 18:12

屋形船に乗って

隅田川に浮かぶ屋形船
わたしは家紋の入ったはんてんを羽織り
船着き場でお客様を待つ
今日は結城座のお手伝い

江戸の写し絵
「船での公演は150年ぶり」と12代目結城孫三郎さんの声
孫三郎さんの、あのふにゃっとした声が好きで
聞こえてくるとニヤついてしまう
お客様の座席案内が今日のわたしの仕事
一緒に船に乗り
気を配りながら芝居を観た

宇野亞喜良さんの描きおろしの絵が浮かび 消え
結城座の皆さんはスクリーンの向こう
「ふろ」と呼ばれる幻灯機を手に、描かれた絵を演じる
これは、江戸時代の映画
映しだされる幻を観ている
怪談話 怖いお菊さんの場面でひゅうぅっと風が吹く
船の上ならではの演出
浴衣を着て夏の夜にこうしていたいと想像した


学生の頃から働いていた喫茶店は
結城座が運営している「くぐつ草」
地下の穴蔵 この空間にうっとりしてアルバイトを申し込む
結城座のことは働き始めてから知った
この場所では数々の思い出がある
懐かしい

座の皆さんがカウンターの向こうに立つことは今はなくなってしまったけれど
わたしが入った頃は一緒に働いた
そばにいると 一人一人もっている世界を感じて
不思議に感じたり わくわくしたり
楽しかったなぁ
わたしはこの店が大好きで
卒業後もアルバイトを続けた


店にはときどきお客さんとして向かう
結城座からは「手塚くん、手伝って」と、ときどき連絡が
二十歳に始まったくぐつライフ
今も繋がっていられることがとても嬉しい








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# by shokanshu | 2017-10-02 23:22